市場動向
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国際市場動向
  1. フォレンジック定義

    不正アクセスや機密情報漏洩などコンピュータに関する犯罪や法的紛争が生じた際に、原因究明や捜査に必要な機器やデータ、電子的記録を収集・分析し、その法的な証拠性を明らかにする手段や技術の総称である。"forensics" には「法医学」「科学捜査」「鑑識」といった意味があり、分かりやすく意訳すれば「デジタル鑑識」となる。

    対象となるのはパソコンやサーバ、ネットワーク機器、携帯電話、情報家電など、デジタルデータを扱う機器全般である。容疑者のコンピュータを押収してハードディスクから証拠となるファイルを探し出したり、サーバのログファイルから不正アクセスの記録を割り出したり、破壊・消去されたディスクを復元して証拠となるデータを押収したりといった技術が該当する。また、コピーや消去、改ざんが容易であるという電子データの性質に対応して、データが捏造されたものかどうかを検証する技術や、記録の段階でデータが改ざんできないよう工夫したりハッシュ値やデジタル署名などで同一性を保全する技術なども含まれる。

  2. 市場背景

    1990年代後半より、機密情報の管理を厳格に行っている企業にて、通信データアーカイブシステムの導入が始まった。その後、個人情報保護法が施行され、データを介した外部とのやり取りをコントロールするフィルタリングのニーズが高まったが、実際にはやり取りをコントロールするのではなく、全てのデータのやり取りを取得し、保存し、必要時に活用するためのソリューションを導入する企業が多く見られた。 昨今、情報セキュリティへの対策が企業にとって取り組むべき重要課題として叫ばれている。コンプライアンスや情報漏えい対策としてのセキュリティ対策が注目されてきている。

    その中でも、通信データ市場の拡大要因に寄与するものとして、J-SOX法が注目されていたが、米国のSOX法やHIPAA等の法令とは異なり、データアーカイブの必要性が明瞭に記載されていないため、J-SOX法は通信データアーカイブの導入を促進させる大きな要因とはならなかった。 また、通信データアーカイブに対する企業の意識は、対応すべきであるという積極派と、法令にて明瞭な対応が求められるまでは導入しないという消極派に、2極化している。 現市場は活況とは言えないが、積極派の企業を中心に市場変化が起こると見ている。

    日本の市場規模 (情報通信白書):
    - (2002年から2007まで)
    • インターネット普及率 : 企業98.2%、世帯88.1%
    • セキュリティ製品 : 2595億円 => 10809億円
    • セキュリティ管理サービス : 1618億円 => 6764億円
    • コンサルティング : 289億円 => 556億円


    - (2003年から2009まで)
    • 不正アクセス防止製品市場 : 259億円 => 305億円

  3. 製品特性と傾向

    ここ10年で通信データアーカイブ市場に投入されてきた製品を大別すると2種類に分ける事ができる。 1つは「保存」と「検索」機能が強化されているアーカイブ機能特化型、そしてもう1つはフィルタリング機能を強化させている製品である。日本国内の企業の多くは情報漏えい対策を目的としたツールの需要が比較的に多いが、実際にコンプライアンスや情報管理を目的としたフィルタリング機能に特化させた製品は少ない。

    また、今後の各種製品の傾向としてオールインワンソリューションとして提供するためにアーカイブ機能だけでなく、フィルタリング、スパム対策、ウィルス対策などを統合した製品を提供していくベンダーと、一方で他社の様々な製品とのアライアンスソリューション提供を可能にするために各機能の汎用性を高めていく機能強化型に分かれていく事を予想している。

  4. ユーザー特性

    機敏な情報の取り扱いが多い金融業界では、既に大手都市銀行や大手証券会社等での通信データアーカイブの導入が完了しており、現在は地方銀行や中小規模の金融業への導入が進行している。また通信データアーカイブが重要な法的証拠になると認識されており、知的資産を所有する製造業や通信業界では、データの保存が要求されている。 その他業種については、コンプライアンスの意識が高く、グローバルに事業展開している企業や、自己防衛対策に入念に取り組む企業での導入が比較的増加する傾向と見ている。